■将来の中小商業【生活集積街へ】
2-30.計画的に造られた商店街『ライフスタイルセンター』《日本型LC》
➁ー1 中心市街地活性化とライフスタイルセンター
~中心市街地活性化法とその改正法
ポスト大店法として平成10年に制定されたまちづくり三法は、主に中心市街地活性化法による振興策と改正都市計画法による規制策により一体的に運用し機能するはずであったが、後者の機能不全によって、中心市街地は活性化どころかますます空洞化を促進する結果となりました。平成18年に三法の抜本的見直しが行われ新たな展開となりました。
開発途上レベルの都市計画がようやく欧米に近づくという土地利用規制等の改正で三法効果を十分に発揮するところを、初期段階の混乱を脱し始めた中心市街地活性化法も抜本的見直しが行われ、旧法との連続性を断ち切る大胆なスキームとなりました。旧法では欧米と比べかなり後発のまちづくりに馴れ親しんでもらうため、間口を広げ取り組みの促進を図ったが、改正法では正反対に間口を狭め内閣総理大臣の認定制になり、厳しく計画が審査され結果的に抑止されました。今回の改正がまちづくりへの後退と見るのか、内容と質の向上と見るのか議論は分かれ、財政悪化のなかでの「選択と集中」が求められるが、極端な変化はモチベーションが低下するという心配の声もあります。
旧法でうまく機能しなかった要因のひとつとして、「商業の活性化を重視したため」といわれているが、まちなかの商業がどのような機能を担っているか、あるいは担ってきたかという本質的な議論がないままに、いろいろな事業がすすめられた結果といえます。皮肉にも米国最新のSC業態であるライフスタイルセンターが、日本において伝統的に培ってきたまちなか商業の意義や役割を逆提案していることになりました。