●企・創・店・街~きそうてんがい
■将来の中小商業【生活集積街へ】
2-28.計画的に造られた商店街『ライフスタイルセンター』《日本型LC》
➀ー4 米国におけるライフスタイルセンターおよびその機能の活用
~マイナスをプラスへ
ライフスタイルセンターはヨーロッパの街並みをモチーフとし、イメージをより本物らしく近づけることにより、自然発生的な地域住民の自己実現の場を提供しています。計画的にSCの端に核店舗を配置しモールで繋ぎ回遊性を高めることや類似業種をまとめて配置し利便性・買い回り性を高めることなど、SC理論は成り立ちません。むしろ自然発生的に形成された商店街に近いアイデンティティを持っています。
マーチャンダイジングのコンセプトは大人を主な対象とし、アップスケールなナショナルチェーンの専門店や地元の有力な専門店、特徴ある大型専門店で構成、食料品も対面販売のデリカや生鮮品を強化した高級SM業態、ファッションに特化した百貨店、集いを演出するカフェやレストラン(若い人を対象としたハンバーガーショップはない)、シネコンの設置など、SC規模の特性に拘らないテナントミックスとなっています。自然発生的な商店街にはテナントミックス計画がないという非難やだから商店街には問題があるというマイナスの指摘は、見事にプラスに転じることになります。
ライフスタイルセンターは家庭でもなく職場でもない第3のステージを提供します。安全で快適で気兼ねなく寛げる空間の環境整備がその命です。建物や舗道、その素材のこだわりから、植栽や花壇、ハンギングバスケット等の緑の豊かさ、噴水や噴水まわり、ポケットパーク、パティオ等のストレスを解消する空間づくりなど、薄っぺらではなく地元で誇ることができる顔となっています。
2024年7月5日