●企・創・店・街~きそうてんがい

■将来の中小商業【生活集積街へ】

2-16.計画的に造られた商店街『ライフスタイルセンター』《LC事例研究》

①ー3 サンタナ・ロウ~住居やホテルを複合した街区型

シリコンバレーへの出張者をターゲットとしたホテルを街区の中央に建設しています。このヴァレンシアホテルは、地中海様式でデザインされた214室のホスピタリティのある高級ホテルです。

1階が商店街で上部に賃貸のコンドミニアム1,200戸が開発され、他に高級タウンハウス型の住居やホームオフィス付の住居などが開発されています。こうして街区の夜間人口もしっかりと確保しています。住むための環境や生活するための環境、コミュニティとしての環境をうまく融合・整備した複合街区開発といえます。

集客の核となるのは物販店ではなく、ストリートそのものであるというコンセプトのもとに、メインストリートの魅力づくりを重視しています。植栽やハンギングバスケット、花壇、ストリートファニチャーなどアップスケールした快適な環境を整備し、日曜毎に通り沿いのファーマーズマーケットやコンサート等のイベントを開催し、常に街に出かける楽しさを演出しています。

街区の背後に駐車場は十分に確保されているが、表通りはショップの前に駐車もでき、歩車の共存にも配慮されています。平日で客が少ないときや簡単な買物の時には便利です。週末には家族連れも多いものの、お洒落できちっとした服装の大人の来街者が多いのが特徴です。

以前、サンタナ・ロウの敷地にはコミュニティ型のショッピングセンターが出店していたが、経営状況が悪化したため、デベロッパーであるフェデラル社が買い取り、更地にして白紙の状態から開発されました。ITバブルが崩壊するなか、これからのシリコンバレーのライフスタイルやワークスタイルに適した開発を目指しました。シリコンバレーには中心となるようなダウンタウンはなく、優れたコミュニティの場の提供が成功の大きな要因であると評価されています。

           

2024年2月22日